初めて聞いたインド音楽は？

　それは中学生のころ聞いた、ビートルズのリボルバーの中の「LOVE YOU TO」というジョージ・ハリスンの曲でした。
　イントロが印象深いというか、全く違和感がなく、新しい音楽と感じたのかもしれません。
　その後も、ジョージ・ハリソンの「All things must pass」「バングラデシュのコンサート」（ここでラヴィ・シャンカールを知りました）などで、インド音楽に触れていきました。

　デリーに来た当時、ＢＧＭはもっぱらインドの映画音楽で、しかもご存知の方がいるか、エイトトラックという、ずうっと巡回を繰り返すエンドレスなテープでした。
　あの女性のハイソプラノの高い声と、ダンスシーンを想像させる激しい音に、時折のバラード。
　これを毎日聞いていました。

　私にとって、音楽とは必需品であるがメインではないもの。詳しくも知識豊かでもありません。
　ですからコンサートというより、何かをしながらいつもあってほしい物です。
　ない時は一人で歌っています。
　
　インドのホテルの半分ガーデンのダイニングルームで、生のタブラ、シタール、タンブーラの演奏を聞いた時はしびれましたが、そこには、料理の思い出や、星空も一緒に思い出されます。

　音は面白いもので、レストランに入った時の客の話し声や笑い声、時には店員の会話もちょっと楽しいＢＧＭになります。
　
　銀座てんぷら近藤のご主人が「天ぷら屋にＢＧＭはいらない。揚げる音がＢＧＭだから」といわれました。
　お店にはお店の匂いや、明るさや装飾などの視覚もありますが、音楽に限らずその音も考えたいですね。